5S活動を定着させるには
5Sを当たり前のことする
5S活動がしっかり導入できている職場では、5Sは当たり前のことになっています。
5S活動を定着させるには、全社運動として盛り上げていくことが重要です。
そのためには「全員参加」と「率先垂範」が特に大切です。
管理監督者やリーダーが他の人の模範となるような行動を自ら進んで実行することで、他のメンバーの参加を促し、5Sを全社運動としていくことにつながります。
また、5Sが短期的にできたとしても、5Sを導入できたことにはなりません。
5Sが当たり前のこととして習慣になってはじめて導入できたことになります。
メンバー一人ひとりが、できていないと落ち着かない、不自然だと感じる、となるのが目指すべき状態です。
職場の改善は一度だけ実施すればいいというものではありません。
よいか改善案も効果を出すためには継続的な維持活動が不可欠です。
この継続的な維持活動はメンバー一人ひとりの行動に左右されるので、メンバー一人ひとりが5Sを習慣化できていることが重要になります。
5S活動が定着しないのは
しかし、これらを当たり前と捉えることができるようになるまでには、いくつかの困難があります。
1 事前に効果が見えない
5Sは効率化や品質向上にとって重要です。
ただ、5Sは経験則を根拠にしているので、その効果は「やってみなければわからない」ところがあります。
5Sの行動一つひとつは簡単なもので、学校でも言われてきたような軽いもののように思えます。
一方、仕事は高級なもので、難しいものでなければ仕事の役に立たないという思い込みがあります。
簡単なことが難しいものに結び付くのが事前には理解しにくいことなので、5Sに本気に取り組むことを妨げてしまいます。
2 「雑用」が増えたように見えてしまう
5S活動は、それ自体が直接付加価値を発生させるわけではありません。
利益に直結しない、一見雑用のようにすら見えます。
このため、積極的に5Sに取り組もうとする誘因が乏しくなりがちです。
これは導入当初において顕著です。
3 単なる「スローガン」になってしまう
「5S活動」、「整理」、「整頓」、「清潔」、「清掃」、「躾」と唱えるだけで実質的に何もしない、「口だけ5S活動」がとなってしまうことも少なからずあります。
「5S」とか「整理・整頓・清潔・清掃・躾」といったポスターが貼られているのですが、それが実現できているかどうかは別です。
5Sは簡潔で、誰にでも理解できるもの、実行できそうなものばかりのように見えます。
しかし、徹底して実行しようとすると途端に困難になることを理解することが必要です。